【やる気の科学】子供が自ら勉強する方法

子育ての悩み

こんにちは!くじらパパです。

皆さんは子供の勉強のことで不安なことはありませんか?よく聞かれる相談は、子供が自ら勉強をしようとしないという悩みです。

実は人間の脳には、何も言わなくても勝手に勉強するようになる、ある脳科学的なシステムを持っています。

今回はその方法について説明してみようと思います。

この記事は以下の人で困っている人にお勧め!

くじらパパ
くじらパパ
  • つい怒って勉強させようとしてしまう
  • 子供が勉強のやる気を見せないので不安
  • 習慣化するにはどうすればいいのか?

報酬系サイクル

結論から言うと、勝手に勉強させるためには「勉強にはまった状態」にしてあげることです!

ゲームやSNSなどを見ればわかるように、はまった状態なってしまうと、例え禁止してもやり続けてしまうほどのパワーが引き出されます。

勉強でもそれは可能なのでしょうか?

その方法は、「人が物にはまる状態」である依存症の研究などからによって明らかになってきました。それには下の3つの条件をクリアすることが必要です。

はまった状態

①その事・物が好きである
 ↓
②やりたいと思える欲がある
 ↓
③終わった後にご褒美がある
 ↓
①もっと好きになる

この状態をつくることで、人間は物にはまることができます。

このサイクルは「報酬系サイクル」と呼ばれており、このサイクルを回すことで脳がゾーン状態になりはまった状態を作り出せます。

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

①勉強が好きである

最初の条件は勉強が好きであることです。これは当然ですよね!

ピーマンが嫌いな子が、自ら進んでピーマンを食べるなんてことありませんから(笑)

勉強をしたがらない子も、勉強自体が嫌いな可能性があります。
嫌いな理由は様々あると思いますが、よくあるのが

  • 分からない
  • 興味が無い
  • 逆に簡単すぎる

この様に、勉強そのものが楽しくなくなってしまうとやる気は起きなくなります。

ただ、ここは工夫の仕方で解決できことが沢山あります。例えば、

  • 勉強の中身を本人に合った難易度にしてあげる
  • ゲームや遊びを取り入れる
  • 興味のあるテーマを選ぶ

など、勉強そのものが嫌になってしまわない工夫が必要です。

②やりたいと思える欲がある

実は、好きであるというだけではやる気は起きません。
次に必要なのは”渇いている”状態です。

勉強だとイメージしにくいので、「水を飲むこと」に例えてみましょう。

あなたが今、のどが渇いているとします。もしそうだとしたら、あなたは必死になって水を探しますよね?この様に、”水を探す”というやる気を渇きが引き起こさせます

水以外にも、「ご飯」「睡眠」「友達」「お金」などたくさんの物が人に欲を起こさせます。人はそれが足りないと感じた時に、それを求めさせるという、やる気のシステムを持っています。

勉強の欲求は、”新しいことを知りたい”という欲求です。

例えば、テレビを見ていて知らない漢字が出てきたら知りたくなるし、友達が知らない言葉を使っていたら意味を知りたくなるのが人間の性質です。

この様に「知りたい欲求」は、学習の中でいうよりも、むしろ普段の生活の中での方が起こりやすいです。

普段から分からないことを調べる習慣を付けて、好奇心を高めておきます。そして、いざ勉強の場面では、知らないことあるのが我慢できないという心理状態を作っておくことが重要です。

ですが、この欲求には弱点があります

それは、コスパが悪いとすぐに欲求が下がってしまいやすいことです。

例えば、先ほどの水の例でいうと、「水を飲むために、遠くのコンビニまで行かないとダメなら諦めてしまう」という選択肢が生まれやすいということです。

つまり、見返りとコストが見合ってない場合には、脳は簡単に諦めてしまいます。

そうならないためには、勉強に到達するまでの心理的ハードルを下げてあげる必要があります。

例えば、

  • 邪魔する誘惑がない(テレビや動画など)
  • 机が片付いている
  • やるべきことが明確になっている

普段子供のがやる気がないように見えるのはここが原因になりやすいです。環境を整えて、子供が勉強にアクセスしやすくしてあげましょう。

ちなみに!

うつ病やADHDの人は脳の障害で、やりたいと思える欲求を引き起こすドーパミンの機能が弱まっているため”渇き”が起きにくくなってしまいます。どうしてもやる気が起きなくて心配な方は、病院に相談してみください。

③最後にご褒美がある

やる気サイクルの最後に必要なのはご褒美です!

ご褒美と聞くと、物をあげないといけないの?と思われるかもしれませんが、それだけではありません。

勉強のご褒美とは、”分かるようになった達成感”です。

どんな子どもでも、問題が解けるとうれしくなります。丸をつけてもらったり、できたことを褒められとうれしくなります。

この様に、勉強の最後に「できた!やったー!」と思えるような状態があり、それがたくさんあることが重要です。

逆に、うまくいかない時のパターン

  • 適当にやったらたまたま当たった
  • できたけど、めちゃくちゃ疲れた
  • ✖(バツ)を沢山つけられたり、やり直しが多かった

このような状態の時は、問題を解けたとしても達成感の感覚が下がってしまいやすいです。

対策としては、やはり勉強の中身や量を本人に合ったものしてあげることです。できたことをしっかり褒めてあげることも必要ですし、たまにはご褒美をあげるのもいいでしょう。

最後の達成感が大きければ、①の勉強が好きになるという感覚が強くなり、勉強にはまるループが完成していくのです。

このループはどれかが欠けても上手くいきません。自分の子供がどこでやる気を失っているかを見極めて対策を立ててみてください。

もう一つのやる気スイッチ

実は人間には、もう一つのやる気スイッチがあります。

それは”逃げる”時のやる気です。

例えば、

  • やらないとペナルティーがある
  • 締め切りが迫ってきている
  • 叱られる

など、ピンチな状態を回避する方法としてやる気を起こすシステムがあるのです。

ですが、この回避システムによるやる気はデメリットが沢山あります。

デメリット
  • やる気が長続きしない
  • その場限りである
  • 慣れてくると効かなくなる

その結果、大人が何度も注意するようになってしまい、勉強が嫌いになりやすいので、最初の「報酬系サイクル」の様な勉強を自らすすんでやる状態になることがないのです。

ただし火事場のばか力の様な、瞬間的なやる気は引き起こしてくれます。ほどほどに使い分けて下さい。

まとめ

今回は子供が勝手に勉強をやる気になる方法について解説してみました。

ポイントは!

①その事・物が好きである
 ↓
②やりたいと思える欲がある
 ↓
③終わった後にご褒美がある
 ↓
①もっと好きになる

報酬系サイクルを回すこと。

逃げるための回避システムでのやる気はデメリットが多い

子どもの勉強で困っている人は是非参考にしてみてください。ちなみに、この報酬系サイクルは人がはまる時の基本的はやり方であり、習慣化するためのテクニックでもあるので応用して使ってみてください。