【精神科の検査とは?】心理検査について解説

精神科お役立ち情報

こんにちは、くじらパパです!

精神科を受診したら、どんなことをするのか気になりますよね?

もちろん、問診やカウンセリング、お薬の処方などいろいろありますが、その中の一つに”心理検査”というものがあります。

今回はそんな検査をテーマに、お話してみようと思います。

この記事は、こんな人にお勧め!

くじらパパ
くじらパパ
  • 検査を受けに病院を受診してみたいと考えている
  • 心理検査でどんな事が分かるのか知りたい
  • 検査を受ける時に注意することを知りたい

心理検査とは

病院を受診する人の中に、検査を受けたいという人がよくいらっしゃいます。

検査を受けたい理由は、大まか分けると2つです。

➀診断を付けたいから

②今の自分の状態を知りたいから

どちらも、検査で分かりそうなことですね!

ただ、➀の”診断を付けたいから”検査を受けたい時には、知っておいて欲しい事があります。

それは、精神科の場合

「検査結果」と「診断」がイコールでは無い

となる場合があることです。

つまり、検査をすれば必ず診断が分かるというわけではないのです。

理由のひとつに、同じ症状でも診断が異なることがよくあるからです。

例えば、「抑うつ状態」という症状がある病気には、うつ病、適応障害、双極性障害、統合失調症、などなど、、、

同じ症状で同じ得点でも診断が全く違ってきます。しかも、その症状も病期によって出たり出なかったりするし、人によって点数を低く記入したりと、判断が非常に複雑なのです。

「検査だけ見て不眠症かと思ったら、実はうつでした!」などとなりかねません。

もちろん、精神科の検査の中には診断を付けるのに役に立つ検査は沢山あります。

ですが、それはあくまでも担当の先生が診断を付ける時にヒントにするもので、何点以上だからあなたの診断はこれです、と決めてしまうのはとても危険があるのです

なので、検査結果はあくまで一つの判断材料であり、診断はたくさんの情報を総合的に判断して決定されるということを覚えていてください。

また、検査によってはそもそも診断を出すために作られた物では無いものもあります。

どの検査が診断の役に立つかは、病院が適切なものを選んでくれると思いますので、提案されたものを受けるようにしてみてください。

次に、②の”今の自分の状態を知りたいから”についてお話します。

精神科の治療において、患者さんが自分の状態を知ることはとても大事なことです。

自己理解”というのは、精神科の治療において第一歩になります。

また、病気のせいで判断力が低下し、自分の状態がよく分からなくなってしまうこともあります。

”精神的”という目に見えにくいものを、見えるデータとして示してもらうことは、自分の状態を知ることに非常に役立つことが多いです。

例えばうちの病院で使っている、うつ病の検査には以下の様な質問があります。

  • 夜眠れていますか?
  • 食欲はありますか?
  • 動悸がしますか?
  • 気分が沈んでいますか?
  • じっとしていられますか?
  • イライラすることはありますか?
  • 死にたい気持ちになりますか?
  • 将来に希望がありますか?
  • いつものように仕事や家事ができていますか?

などなど、それぞれの項目に点数を付けてもらい、合計して得点を出します。

検査した側は診断の役に立ち、受けた側は「これって病気の症状だったのか」、と気づくことが出来ることがメリットです。ただ、重症度などの解釈については、総合的な判断が必要になるため、自分で軽い重いを判断しないことをお勧めします。

また、検査の種類によっては、より自分の状態について詳しく調べられるものもあります

例えば、

「YG性格検査」、「MPIモーズレイ性格検査」、「SCT(文章完成法)」、「描画テスト」、「TEGⅡ東大式エゴグラム」など

これらは、性格や思考の癖を読み取る事ができます。

他にも、

「WISC、WAIS(ウェクスラー式知能検査)」、「田中ビネー式認知機能検査」、「新版K式発達検査」など

これらは、IQといった認知機能を測る事ができます。主に発達障害に関係する時によく使われます。

また、療育手帳の発行にも関係し、知的程度の判定にも使われます。

IQは、知的障害以外の診断を直接出せるものではありませんが、その人の特徴を色んな視点から解釈したり、支援の方法を探す時に役立つものになっています。

結果をどのように生かすかによって受ける検査は変わってきますので、担当の先生とよく話し合って決めてください。

注意点

検査はあくまでも、”病気”の状態を知るために使われるものであり、病院で行う際には原則医師が必要であると判断した時でなけれ受けることができません

「性格を知りたいから。」と病院を受診してもそれが治療上必要であると判断されなければ、保険医療として行うのは難しいことがあります。病院によっても、準備している検査としていない検査があり、受けたい検査があるかどうかを病院に確認をする必要があります。

どうしても特定の検査を受けたい場合には、民間で心理検査を行っている所を探してみてもいいかもしれません。

また、結果を読み解くには、検査に精通した心理士や医師の説明を受けることが重要で、自己判断はしないようにしましょう。

まとめ

今回は、心理検査について説明してみました。

ポイントは!

  • 検査だけで診断決めるのは危険で、あくまでも補助的なもの
  • 自分のことを理解するためにとても役立つ
  • したい検査があっても、治療上必要と判断されなけれ必ずしもできるとは限らない

それぞれ検査の内容についても、機会があれば今後投稿していきたいと思います。