こんにちは!くじらパパです。
今回は発達障害の一つである、自閉スペクトラム症について解説してみたいと思います。
最近何かと耳にする名前ですが、詳しい内容について理解してみたい人向けて記事を書いてみました。
今回の記事は以下の人達にお勧め!
- 自閉スペクトラム症ってどんな障害なの?
- どんな治療法があるの?
- どこに相談したらいいのか分からない
自閉スペクトラム症(ASD)とはどんな障害?
自閉スペクトラム症は発達障害のひとつで、
- 「コミュニケーションの障害」
- 「対人関係・社会性の障害」
- 「パターン化した行動、こだわり」
などの特徴をもつ障害です。
最新の脳の画像研究などから、複数の脳領域間のネットワークの障害というところまで原因が分かってきました。
自閉スペクトラム症とひとまとめにされていますが、複数の脳の部位の障害であるため、いろんな特性が成長と共に変化していくことがポイントです。
コミュニケーションの障害
こだわり行動
その他
・不眠症
自閉スペクトラム症の人は、夜になっても眠気が来ない、朝起きれないなどの睡眠障害を起こしやすいことが知られています。脳内のメラトニン濃度の低下や松果体でのメラトニン合成や受容体が原因とされています。
・感覚過敏
聴覚、視覚、嗅覚、触覚など様々な感覚に対して過敏さを示します。この症状があると、周りの音や光、衣類のタグ、特定の食物の触感に対する過敏反応が表れることがあります。苦手な刺激にさらされ続けると、疲弊してしまい体の具合が悪くなります。逆に、体の疲れや眠気などには気づきにくい感覚鈍麻があることもあります。
自閉スペクトラム症(ASD)の治療
療育
児童発達支援センター、放課後等デイサービス、療育センターなどの施設で療育を受けることができます。他には民間の医療機関や療育施設等で行っている場合でも受けることが可能です。
療育はこれまでに自閉症児に効果があると報告されている様々なプログラムを行い、社会生活でのコミュニケーションに必要な感情のコントロール、相手への配慮や思いやりといった自立のためのスキルを学習する場所になっています。
さらに、療育のメリットは専門的な資格を持ったスタッフの知識・経験をもとに家族の困りごと減らしていけることにもあります。悩んでいる事など気軽に相談して見てください。
薬物療法
薬の使われ方は主に、症状の緩和のために使われます。例えば、感覚過敏や睡眠障害を和らげたり、感情のコントロールを手助けするためにお薬が使われます。自閉スペクトラム症に対する根治的な治療薬というのは発売されていません。ですが、薬を使い症状が和らぐことで余裕ができ、本人・家族が穏やかに過ごしやすくなります。
関わり方の基本
英国自閉症協会が提唱する5つの基本があります。それぞれの頭文字を取って『SPELL(スペル)』と言います。
【Structure(構造)】
自閉スペクトラム症の人には曖昧な言葉は通じにくいです。例えば「ちゃんとしなさい!」「急ぎなさい!」という言葉では具体的に何をしたらいいか分からないことがよくあります。何を・いつまで・どれくらいを、文字や絵などを使いながら分かりやすく伝える必要があります。
【Positeive(肯定的)】
「○○はダメ!」ではなく、「○○しようね。」といった肯定的な声掛けをします。できなかった時に叱るのではなく、できた時に褒めることも大事です。
【Empathy( 共感 )】
本人がどのように感じ考えて行動したかを理解しながら支援を行う必要があります。一方的に押し付けるのではなく、なぜそれが必要なのかをお互いが理解しながらルールを作ると良いです。
【Low arousal( 穏やか )】
感覚過敏がある人は、強い刺激が苦手です。声や光などの刺激に敏感なため、穏やかな声かけや安心できる環境を作ってあげることが重要です。
【Links( つながり )】
本人や家族が問題を抱え込みすぎないよう、学校・医療・福祉などが協力しながら、ご本人を中心に一貫性のあるサポートをしていくことを目指します。
相談できるところ
自閉スペクトラム症かなと疑った場合、専門機関に相談ができます。
子供の場合
- 児童発達支援事業所
- 発達障害者支援センター
- 療育センター
- 保健福祉センター
- 学校のスクールソーシャルワーカー
大人の場合
・発達障害者支援センター
・相談支援事業所など
分からない場合には、役所の子育て支援課や障害福祉課などに問い合わせてみてもいいでしょう。各自治体が行っているサービスの情報などが聞けると思います。診断の必要があれば、児童精神科医師や診断のできる小児科医師などの専門医のいる病院を紹介してもらえます。
まとめ
自閉スペクトラム症は、複数の脳の部位の障害であるため、いろんな特徴が成長と共に変化していきます。大事なことは、早期にそれらの特性に気づき、適切な療育環境を作っていくことで、本人家族の生活を穏やかにしていくことです。療育機関やお薬を利用することで、さらに困りごと減らしていけることもできます。生きづらさを持っていたとしても、その人らしく生きていけることを目指して行きましょう。